2026/09/16
No. 1032
ARCASIA(アジア建築家評議会)の年次行事(今年はForumと呼称)に久しぶりに参加した。インドのアーグラとジャイプールでの開催だった(私はアーグラのみ参加)。インド入国に際しては事前にデジタルでいろいろな書類を登録する必要が増えた。ここにはそうした先取性があるが、このデータは何に活かされるのだろう?実際には融通無碍さも共存する興味深い土地柄ではある。それはさておき、アジア諸国には、それぞれ異なる風と土がある。建築はそれらに根差し、バナキュラーな特性を究めながら、そこにAIが関わり、デジタルファブリケーションがつながるといった進化のさなかにアジアはある。まさにこれも先取性と融通無碍だ。いくつかの委員会に参加をしながらそのような動きをふまえて議論をし、作品を垣間見たりした。
AIについて言えば、すでに第1030回で少し触れたように、AIは建築生産プロセスに変化を及ぼすだろうし、職能の定義を揺さぶる可能性もある。AI活用における適切なガバナンスは必要だし、倫理に関わる教育や規範も必要である。ACPP(職能委員会)でのこうした議論に加わりながら、悠長なことは言っていられないと感じた。もちろん、Aを正しく活かすI議論は建築分野だけに限らない話ではあるが。
さて今回、私の本務はそのうちのUIA(国際建築家連合)リージョンIV[アジアと中東とオセアニア]の委員会に参加することだった。ここに駆け付けたザン・リーUIA会長は「多様な世界」「次世代」「AIなどのシフトチェンジ」を取り組むビジョンに挙げていて、前任者よりもテーマを明確にしそうだ。だからこそアジアの知恵は世界の未来に有用になるはずである。私もそのことに触れ、ネパールと中国で起こったような土石流、地震や台風、熱波や山火事などの災害と共存するアジア、各都市が異なる都市問題に直面するアジアには、深い「知」が宿っていると発言した。アジアの建築が、課題を乗り越えるためにうまい知恵を使い、人々に勇気を生み出してきたのは確かである。
左から3人目がザン・リーUIA会長